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大相撲が面白い。昨年から毎場所観ている。居ても立ってもいられず国技館にいったほどだ。2016年初場所、日本人力士が10年ぶりに優勝した。大関・琴奨菊は3横綱を破り、全勝で勝ち進み、途中、少年時代からのライバルである豊ノ島に唯一1敗したが、終始、得意のがぶり寄りで優勝まで辿り着いた。大相撲を観始めたのは、あるドキュメントがきっかけだ。33歳のその力士はスランプであった。これまで小柄ながら、立ち合いの強さと運動神経で土俵に立ってきたが、外国人などの大型力士とぶつかり合った際怪我をし、それが立ち合いの時に強く踏み出せないトラウマになった。理屈では分かっても身体が踏み出せない。当然のことながら、自分と同じようにお相撲さんも人間だ。怖いという思いは生まれる。この自分と年齢の近い嘉風という力士がどのように克服するのか興味が生まれた。嘉風は、躍動した。場所を追うごとに、スピードを武器に勝ちを重ねた。1年で前頭から小結へ、そして関脇まで昇った。獅子奮迅の相撲だった。年齢に反比例した強さを記者に問われると「相撲を楽しんで全力を尽くすだけ」と言う。人は心が大事なのだと心底思った。 2016/1/26