The Secret Garden
映画「花とアリス殺人事件」を観てきた。岩井俊二監督の「花とアリス」の続編である。内容は簡単に言うと、転校生のアリス(蒼井優)は自由奔放な性格で、不登校をしていた花(鈴木杏)と仲良くなっていく。2人の少女による青春群像劇であり、英語で言うと”In short, positive girl(Alice) moved place and negative girl”というわけなのだ。
ある番組で岩井俊二の映画世界のことを、蒼井優が“おじさんの中の乙女心”だと指摘していた。なるほど少女とは、自分が見たい世界を見るものである。その世界は、酸いも甘いも知っている大人よりもかなり純潔なものであり、それを大人たちは少女性などと呼んだりするのだ。じつは“おじさんの中の乙女心”はモノをつくる上ではとても重要なファクターで、これがなければ未来をつくれず、きっと現在進行形のモノしか出来ないことであろう。理想的な世界を感知する力だと思う。昔は誰でも持っていた、けれど大人になると現実に囲まれてしまい忘れていく。それが乙女心なのだと思う。いくら現実という厳しい嵐が吹き荒れようと、決して壊れない自分だけの秘密の花園は在って良いはずなのだ。 2015/3/10