PETER IVY | codomo

PETER IVY

恵比寿のantiques tamiserで行われたPETER IVYの展示を観て来ました。

PETERさんの作る、薄く透明なガラス工芸の数々は、始めは生活の必需品として生まれた。今回の展示では、ガラスのペンダントライト等の照明作品を発表していた。鉛を塗ったガラスシェードは、金属のように鈍く光り、けれど電球を透過させるガラスの繊細さを持ち合わせていた。

和室に合うと思い、一目惚れで購入した。その後、PETERさんとお話する機会があった。現在、富山で古い日本家屋を購入し、住むために少しずつリフォームしているらしい。このペンダントライトも、その家に合うように制作したそうだ。和室に合うと感じた理由も、何だか納得してしまった。
古き良き日本の生活様式やデザインが、現在の作り手に翻訳され、新しいモダニズムに変遷していく。翻訳者はPETERさんのように日本の方じゃない場合も多い。当たり前のように過ごしている日本人には、気づかない日本の良さが在るのかもしれない。温故知新という言葉もある。
また横井軍平という人が「枯れた技術の水平思考」をすべきだと言っていた。「枯れた技術」とは、最先端ではないが、すでに広く使われて、ノウハウも固まり不具合も出し尽くして安定して使える技術のこと。「水平思考」とは、今まで無かった使い道を考えることである。これは主に技術の話だが、文化にもそういう思考は巡らせても良いと思った夜でした。便利を追求した失楽園になる前に。 2018/12/8